博士学生のLife Hack

博士学生のLife Hack

博士課程の日々を効率化するためのあれこれ。と趣味のログ。

ナノメートル世界の大学生ロボコンBIOMODを知っているか?

f:id:dr_lifehack:20170930130149p:plain

BIOMODとは

ナノメートルは、1ミリメートルの百万分の1

 

想像を絶するほど小さな

ナノメートルの世界で生体分子ロボットの作製を競う大会が

BIOMOD(Bio-Molecular Design Conpetition)

 

日本語では「国際生体分子ロボティクスコンテスト

2016年度の国際大会は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校にて世界各地から24チームが参加した。

 

生体分子って何…?

DNAやタンパク質など、生物の細胞を構成する分子の総称。

BIOMODでは、ロボットの骨格としてDNAを編み込んでシート状にしたDNA origamiを用いる場合が多い。精密に設計すれば、箱型やロッド型にも折りたためるので、origami(折り紙)。

 

生体分子「ロボット」なの…?

「生体分子ロボット」に明確な定義はまだないようだ。

過去の参加チームのプロジェクトを見ると、

ロボットが自律的に

  1. 入力を受け取って、
  2. 計算処理し、
  3. 出力する

という共通構造が見て取れる。

例えば、

  1. がん細胞表面に存在するマーカーを認識して、
  2. 構造体が開き、
  3. 内包された薬剤を放出する

という具合である。

 

ここでは、ロボットが自律的に「入力を処理して出力」したら、生体分子ロボットと理解しておこう。

 

何を競うの…?

  1. プロジェクトの成果をまとめたWebサイト
  2. プロジェクトアイディアを紹介するYouTubeビデオ
  3. コンペ当日のプレゼンテーション

の3項目が評価される。準備期間は、日本チームの場合、4ー10月の半年。

 

2016年度の優勝チームは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のTeam Tiny Trap


Thinking Inside The Box - BIOMOD 2016

さすが優勝チーム、細部まで手が行き届いた抜群の完成度。そしてわかりやすい。

体内の必要な部位にだけ薬を届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)に応用可能なDNA origami製の容器を作製している。

  1. 内包したい薬剤が箱に接近したら
  2. 箱のつっかえ棒が切断され
  3. 薬剤を容器に閉じ込める

という自律的な機構が「生体分子ロボット」だ。

 

チームのWebサイトを見ると、期間内の目標はおおむね達成しているようだ。机上の空論で終わらせないことが、コンペで重要視されるポイントである。

 

これ、学部生がやってるってレベルじゃねえぞっ!

 

日本の大学も健闘中

東北大学 Team Sendaiは、国際大会総合優勝経験もある名門チーム。2016年度も総合準優勝。

その他、2016年度は関西大学 Team Kansai、九州工業大学YOKABIO、大阪大学 Team HANDAI、東京大学 UTokyo-Komabaが参加し、各賞を受賞している。

 

2017年度大会は?

日本大会は、2017/9/2に大阪大学豊中キャンパス、

国際大会は、2017/11/4にカルフォルニア大学サンフランシスコ校

で行われる予定だ。

 

まとめ

BIOMODは生体分子の国際ロボコン

ナノスケールでの精密な分子設計が可能なDNAナノテクノロジーは、医療応用に関していえば、DDSなどに利用する方向性がある。

 

ナノロボットが体内をパトロールして治療までしてしまうSFチックな未来も、そう遠くはないかもしれない。